トップページ
サンクチュアリジャパンの活動写真


自然保護は感動教育から

サンクチュアリ ジャパン


自然環境を守るために、アカウミガメをシンボルにして、調査活動や自然環境教室・観察会などを行なっている現場重視のボランティア団体です。


野生生物の保護を活動の前面に出しているのは、その生物の存在が地域の環境評価につながるからです。日本有数のアカウミガメの産卵地であるということは、遠州灘一帯には他の地域とは替え難い貴重な自然環境が残っていることを意味します。アカウミガメのほかにも、海浜植物や舞阪今切れ口東岸を営巣地とするコアジサシの保護などを行なっています。活動の目的は彼らが必要とする自然環境そのものの保全で、その結果、自然界の生き物はバランスを取り合いながら生きていくことができるでしょう。

はじまりは。。。

化学薬品の汚染を気に留めた代表が、浜松市周辺の水質調査を個人的に始めた結果、馬込川河口に広がるアシ原が10万羽のツバメのねぐらであることを発見したのがきっかけです。豊かな自然を守る保護区の必要性を感じて、当時その地で進められていた開発計画から野鳥を守ろうと1984年に市民運動の会「馬込川サンクチュアリ市民の会」を立ち上げました。11万人の署名を集め市に要望書を提出し、計画が変更され「野鳥の森」が建設されることになりました。

翌年「浜松サンクチュアリ協会」という会員制の協会を設立して自然保護活動に乗り出し、1992年「サンクチュアリジャパン」と名称を変更しました。2000年に会員有志でNPO法人サンクチュアリエヌピーオーを立ち上げて、現在はジャパンが実践の中心を担い、専従職員を要するエヌピーオーが企画運営の窓口となって活動の要として全体を仕切るという関係です。

政策提言で根本解決を
現場での調査データをもとにして、課題の根本的解決のために行政に提言を繰り返し、法令や制度に反映させて自然保護が円滑に進むよう力を注いできました。
1980年に日本最大のツバメのねぐらを確認、アカウミガメの産卵地としての価値に気づいて保護活動を始めたのが87年、以降毎年「海岸への車両乗り入れ規制要望書」を行政に提出しました。遠州灘の浜松海岸とアカウミガメを浜松市の文化財にするべく働きかけて90年に指定を受け、92年にはウミガメや卵の捕獲採取が禁止されました。静岡県自然公園条例により車両乗り入れが94年に湖西・新居、97年に浜松海岸で規制されました。98年に国土環境委員会に意見書を提出し、2000年には海岸法改正にこぎつけました。

こんな思いでやっています

知ってしまった、というところから活動は始まりました。自分たちに、市民にできることは何なのか知恵を絞り、粘り強く実践を重ねるうちに25年以上の時が流れ、同志は1877名に達しました。ツバメもアカウミガメもコアジサシも、この活動がなければ存在が公になることはなかったかもしれません。当初、一般的にまだ「市民活動=反体制の危ないヤカラ」というイメージがあった頃とは隔世の感があります。

初期の観察会の参加者の反応から、自然の素晴らしさを体感すれば環境への配慮が芽生えることを実感し、活動の方向性が定まりました。できるだけ多くの神秘的な出会い、そういう感動をどれだけ得られるかによって、自然を大切にしようという気持ちが育つと信じて体験プログラムを練ってきました。特に子どもたちの参加を大事にしています。

現在の活動や成果は、会の発足当時に思い描いたビジョンがすべて現実のものとして結実した結果です。アカウミガメが安心して産卵できる静かで闇に包まれた砂浜、子どもたちや人々が裸足で歩ける美しい砂浜を次世代に残したいという、これまでの活動はこれからもかわりません。

カメたちの受難
ワダチで前にすすめないカメの写真まだ車両乗り入れの規制がなかった頃のことです。砂浜を縦横にオフロード車やバイクが走り、ウミガメの産卵期5~8月には、釣りやらバーベキューやら昼夜を問わず人が押し寄せました。
海浜植物は踏みつぶされて枯れました。砂の中の卵は重みで割れ、砂浜に刻まれたタイヤの跡にはまった子ガメは、海にたどり着くことなく力尽きました。幾筋ものワダチは、産卵後に体力を消耗した親ガメの帰路もはばみました。

こんな活動をしています

1.文化財保護事業
浜松市指定文化財である浜松海岸の保護活動をしています。

アカウミガメ保護調査事業
5月から8月のシーズンには毎日早朝、調査員による産卵調査を行っています。6月から8月は、調査への体験参加を受け入れています。産卵跡を確認すると卵を掘り出し保護柵に保護します。
3月~5月初旬には保護柵整備作業も行っています。
砂浜回復事業
四輪駆動車が走行し海浜植物を枯らし窪地となったところに、砂とコウボウムギの種子を入れた麻袋の土のうを積み、砂を堆積させ植物群落を再生するための活動をしています。
2.環境教育事業(静岡県いきものふれあい事業)
親子環境教室や、遠州灘海浜公園自然観察会、子ガメ観察会、ビーチクリーンアップなどの活動をしています。
3.環境調査事業
動植物分布調査、水質調査
2010年度からは太平洋における海岸環境調査を始め、荒廃が続く海岸環境をどのように保全していくかを環境政策提言として実施しています。
ジュニアレンジャー制度
「子どもたちには、自然の中で大いに遊び、優しい心を育ててもらいたい、知識ばかりにかたよらない自然とコンタクトのとれる次世代の担い手に育って欲しい」という思いから、3~18才までを対象としたジュニアレンジャー制度を1992年につくりました。野生生物の保護活動を中心とする環境教育という位置づけです。
自然観察会や生物調査、自然教室などの活動に76回参加するとジュニアレンジャーに認定されます。その後、名刺などの七つ道具を手渡され、活動の仲間として迎えられ、今度は観察会の説明役などを担当します。調査員として活動したり、自分のやりたい調査に関して経費が出されたり、静岡県や日本の代表として国内外に派遣されたり、多くのジュニアレンジャーが活躍の場を広げています。

参加するには。。。

イベントに参加する
アカウミガメ産卵調査、子ガメ観察会、ビーチクリーンアップ、海岸ウォーク、コアジサシ保護活動など、さまざまなイベントがあります。詳しくは団体ホームページのイベントカレンダーをご覧ください。
ボランティアをする
イベントの準備や運営のサポートをしてくれる方を募集しています。詳細はお問い合わせください。
会員になる
寄付する
こんな団体です。
活動分野
海岸保護、子どもの健全育成
活動対象
子ども、一般
活動地域
静岡県西部
設立年
1984年
会員構成
1877名
会費
2,000円/1口
正会員 大人2口以上/年、子ども(中学生以下)1口以上/年、ジュニアレンジャー会員2口以上/年、賛助会員 5口以上/年、法人会員10万円以上/年
運営スタッフ
30名
代表者名
馬塚 丈司(まづか たけじ)
連絡先 
(住所)〒433-8123 浜松市中央区幸2-17-9
(電話)053-475-6535
((FAX)053-475-6548
(Eメール)dxcfp304@yahoo.co.jp
(ホームページ)http://sanctuarynpo.jp/
(2017年3月現在の情報です)