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すべての子どもにより良い未来を

一般社団法人 みらいTALK


「子ども」「障がい」「防災」をキーワードとした3つのプロジェクトを事業の柱に、子どものより良い未来をつくります。


はじまりは。。。

子どもをめぐる様々な課題は、個別の専門分野だけでは解決できないと考え、子どもに関わる医師、保健師、臨床心理士、保育士、弁護士、ソーシャルワーカーなどの専門職が集まって、2009年に「子どものより良い未来創る会」として活動を始めました。2013年に「みらいTALK」に改称、2016年に一般社団法人となりました。

障がいのあるなしや家庭環境に関わらず、浜松市や近隣の地域のすべての子どもにとって、より良い未来、地域社会を築くことを目指して、子どもと家族、そこに関わる人々を「つなげる」「ささえる」「しらべる」「ひろげる」事業を展開しています。特に、生活困窮家庭の子どもの支援、福祉×防災に取り組んでいます。

こんな思いでやっています

生活困窮家庭の支援は、ある中学生の不登校の背景に貧困があったことがきっかけでした。高校進学の希望がありながらも諦めていた彼に、大学生を学習支援に派遣したことで、学習意欲が向上し、高校進学につなげることができましたが、他にも多くの子どもたちが同じような境遇に置かれていることに気づきました。

生活困窮家庭では、制服や学用品の購入や入学式に母が参列するためのスーツなども経済的負担が大きくのしかかります。給食に持参する米飯の準備が難しい家もあり、それゆえに不登校になるという面もあります。支援を始めてから、ひとり親、外国籍、ネグレクトなど、様々な家庭のままならない困難が見えてきました。

学習の支援だけでなく、勉強の後には栄養バランスのとれた食事を提供しています(2020年はお弁当を持ち帰ってもらう形で実施)。大学生ボランティアが一緒に食事をとることで、家庭的な環境で子どもたちの話をきく場にもなります。子どもの相談は親と食い違うことも多いので、子どもの声も直接聞くようにしています。学生が親身に関わることで、成績が上がらなくても勉強が好きになったという子もいて、子どもも親も変わっていきました。

問題の解決には、メンバーが所属する機関の業務の範囲を超えた、医療+福祉+教育の連携で一人一人の子どもが、楽しく、希望をもって生活できるようサポートできたらと考えています。

 私たちのSDGs
目標1:あらゆる場所のあらゆるかたちの貧困を終わらせる
ターゲット:1.2
目標2:飢餓を終わらせ、栄養を実現し、持続可能な農業を実現する
ターゲット:2.1
目標3:あらゆる年齢の全ての人の健康な生活を確保し、福祉を推進する
ターゲット:
目標4:全ての人への衡平な質の高い教育と生涯学習の機会を提供する
ターゲット:4.1
目標11:まちや人々が住んでいるところを、だれもが受け入れられ、安全で、災害に強く、持続可能な場所にする
ターゲット:11.5

こんな活動をしています

障がいの有無や家庭環境に関わらず、浜松市及び近隣の地域に住む全ての子どもにとってより良い未来、地域社会を築くことを目的として事業を行っています。

  1. 生活困窮家庭の子どもの学習支援
    1. 1) 学習支援:大学生ボランティアによる学習支援教室「Juice Class」と食事・食料を提供
    2. 2) レクリエーション:みかん狩りや大学構内でのイベントなど、社会体験の場を提供
    3. 3) 啓発活動:子どもの支援人材の質と量の向上をめざした講演会、研修会を開催
  2. 障がいと防災

    1. 1) 障がいをもつ子と家族のための防災サバイバルキャンプ:2013年から開催
      障がいをもつ子どもたちとその家族は、地域の防災訓練には参加しにくいため、避難所で一泊体験をするイベントを開催。避難所では具体的にどんな困難が生じるのか、家族や支援者が準備しておくべきことや避難所運営上の工夫など、みんなで体験して考えます。
      2020年からコロナ禍で体験型のキャンプができない中でも、当事者家族と支援者を招いてweb上で座談会を開催するなど活動を続けています。
    2. 2) 啓発活動:福祉避難所についての勉強会、講演会を開催


≪委託事業、補助金・助成金事業など≫

・ベネッセこども基金 2016、17、18年

・浜松市学習支援事業 2019、20、21年

参加するには。。。

・講演会、研修会に参加する
・ボランティアとして活動を支援する
こんな団体です
活動分野
福祉、社会教育、子どもの健全育成、まちづくり、防災
活動対象
こども 一般
活動地域
浜松市及び県西部
設立年
2013年4月(前身の団体は2009年5月)
会員構成
会員:約20名、ボランティア:約50名(学生、一般)
会費
会員 3000円/年
運営スタッフ
20名
代表者名
平野 浩一(ひらの こういち)
連絡先
(E-mail)info@miraitalk.net
(ホームページ)http://miraitalk.net
(ブログ)https://miraitalkhamamatsu.hamazo.tv/
(フェイスブック)https://www.facebook.com/miraitalk/
(2021年2月現在現在の情報です)

一般社団法人ここみ


ここでみんなで育ちあい、学びあい、支えあい

一般社団法人ここみ


子どもたちの健やかな育ちをねがい、地域ぐるみの子育ち・親育ち・関係育ちを支援するための活動を行います。


はじまりは。。。

子育て支援の勉強会に参加した現役の子育てママたちが「子どもをみんなで育てる場」の必要性を実感し、2008年に任意団体「浜松の未来を育てる会」をたちあげ、0・1・2歳親子のための交流サロン「ここみひろば」をボランティアで月1回開催したのが始まりです。

その後、平成23年度に「浜松市子育て支援ひろば事業」を当時民間団体として唯一受託。以後、ひろば開催だけに留まらず、講習会や助成金事業などで子育て親子を支援し続け、事業を発展させるため2021年1月一般社団法人ここみを立ち上げました。

こんな思いでやっています

すべての子どもと親が孤立せず生き生きと心豊かに暮らせる社会をつくることを目指しています。そのために居場所と仲間に出会える場を作り、支えあうコミュニティを増やすことが私たちの役割だと考えています。

団体の柱である浜松市子育て支援ひろば事業においては、単なる親子が集まる場所の提供だけでなく、その場で培われる関係作りを大切にしています。環境にこだわり、居心地の良い空間から、仲間が生まれ、貴重な時間の共有ができています。子育て支援は妊娠中からが重要と考え、浜松市助産師会や産科病院とも連携しながら支援をつなげています。また父親支援も欠かせなくなっています。地域に根差した、子育ち、親育ち、関係育ちに力をいれています。

私たちのSDGs私たちのSDGs
Goal3の画像目標3:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
ターゲット:3.2,3.4
Goal4の画像目標4:すべての人々に包括的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
ターゲット:4.2,4.7
Goal5の画像目標5:ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
ターゲット:5.1,5.4
Goal8の画像目標8:すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働き甲斐のある人間らしい仕事)を推進する
ターゲット:8.5,8.8
Goal9の画像目標9:強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る
ターゲット:9.1
Goal11の画像目標11:都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
ターゲット:11.7

Goal16の画像目標16:持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に使用へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
ターゲット:16.2
Goal17の画像目標17:持続可能な開発に向けて実践手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
ターゲット:17.17

こんな活動をしています

1. 地域子育て支援拠点事業の運営
ここみの活動浜松市から「子育て支援ひろば」を受託し、3か所でひろばを展開しています。
妊娠中から概ね3歳未満の乳幼児と保護者がいつでも気軽に利用できる場所。みんなで一緒にお互いの子を見守りながら安心して子育てができる環境です。助産師とともにおこなう妊婦支援や、臨床心理士等による発達相談など専門家による講座も開催しています。

対象:主に妊婦、0歳から概ね3歳未満の乳幼児と保護者、祖父母の方
(参加無料、予約不要)

メニュー:プレパパママ教室、子育て相談、孫講座、多胎おしゃべり会、父親講座、多文化ひろば、出張ひろばなど

開催日時、場所などの詳しくは、下記のそれぞれのブログをご覧ください。

2. 子どもおよび子育てに関わる大人の居場所づくり事業
地域が子どもを育てるように大人が集うことをねらっています。
3. 子育てを支える人材の養成・研修事業
ここみの活動保護者向けの子どもの遊びや発達に関する学習会や、同じ地域の大人たちがつながって地域の子育て力や支援の質を高めるための子育て支援セミナー等を開催しています。子どもの遊びの環境設定の大切さや、子どもの発達に合わせたおもちゃの選び方、遊び方のアドバイスもおこないます。
これから広場を開きたい方や、開きたいけど悩んでいる方へ、ひろばの環境設定からおもちゃの選定、事務運営までのコンサルティングもおこないます。
子育てひろばスタッフ養成の研修のノウハウも提供します。

  • 子育て支援者養成講座
  • 講師派遣(学校、企業、保育園、こども館、協働センターなど)
4. 産前産後ケアサポート事業(ここみドゥーラ)
産前産後の切れ目のないサポートを展開しています。妊婦から産褥期を中心に、母親とその家族に寄り添い、家事や育児のサポートや子育て支援の情報を提供するここみドゥーラ事業も実施しています。
また、サポートをする人材育成のための養成講座も開催しています。
5. 子育てに関するイベント企画や運営・調査研究・情報提供・出版・サービス事業
子育てに関する課題や当事者の声を発信し、孤立した子育てをなくすための活動を行います。
6. 子育てに関する個人や団体への支援・コンサルティング事業
子育て支援の市民団体として培ったノウハウを次世代の支援者につないでいきます。
7. 社会から孤立しがちな当事者・支援する人の支えあい・学びあい事業
介護者、がんサバイバーなどの学ぶ場や集う場をつくります。
8. 多様な働き方、暮らし方を実現するための事務代行事業
子育て中、介護中、治療中など働く環境や時間に制限のある人も働き続けることができる仕組みづくりをおこないます。
9. インターネット等による通信販売及び情報提供サービス
10. 男女共同参画を啓発・推進する事業

<委託事業、補助金・助成金事業など>

子育て支援ひろば(浜松市委託)

はますくヘルパー(浜松市委託)

参加するには。。。

・ここみパートナー”として活動を支える
ここみの行うさまざまな活動に興味のある方、ボランティアに興味のある方、子育て中の親子・子育てを卒業された地域の方などを対象に、不定期で「ここみパートナー説明会」を開催しています。
子育て支援ひろばでの親と子の見守りと話し相手、日本の伝統文化『背守り刺繍』の会、ひろばの講座のサポートなど様々な場面で活躍されています。
ここみパートナー説明会(不定期開催)へ参加希望の方はこちらのメールまで。kokomi.volunteer@gmail.com
※ここみパートナー説明会希望と明記。開催日が決まりましたらご連絡いたします。
こんな団体です
活動分野
子育て、まちづくり、保健・福祉、男女共同参画ボランティア活動
活動対象
妊婦、0歳から概ね3歳未満の乳幼児と保護者、子育て支援者、地域住
活動地域
浜松市
設立年
2008年「浜松の未来を育てる会」設立、2021年1月「一般社団法人ここみ」設立
運営スタッフ
26名
代表者名
大村 美智代(おおむら みちよ)
連絡先
(住 所)〒430-0928 浜松市中区板屋町692
(電話) 070-1616-7424
(Eメール)npa.kokomi@gmail.com
(ホームページ)https://npa-kokomi.jimdofree.com/
(ブログ)
 ここみ広場:https://kokomihiroba.hamazo.tv/
 ここみのおうち:https://kokominoouti.hamazo.tv/
 ここみの森:https://kokominomori.hamazo.tv/
 ここみドゥーラ:https://doula.hamazo.tv/
 ここみ学びLabo: https://kosodachikankyo.hamazo.tv/
(FB)「一般社団法人ここみ」
(twitter)https://twitter.com/kokomi_hiroba
(line) @kokomi LineのQRコード
(2021年3月現在の情報です)

人参


完全健康宣言「食&農」

株式会社 知久


こだわりの食材を使って、健康によい おいしいお惣菜・食品を製造・販売しています。浜松市の農業特区を活用して、自社農園で、化学肥料・化学合成農薬を使用しない有機栽培の野菜づくりにも取り組んでいます。


総務課長の小澤勇夫さんにお聞きしました。

安心・安全、旬の食材を求めて

おいしくて、栄養価の高い旬の野菜を提供したいというのが、農園構想の始まりです。農作物は信頼できる契約農家から取り寄せていますが、端境期には品薄状態になり、「無農薬有機栽培100%」の目標にはいまだ及びません。有機栽培の比率をあげるため、自社栽培の道はないものかー。

一般企業が農業に取り組む例がなく行政に相談した結果、制度上のことは並行して調っていき、2005年に静岡県内で農業特区第1号となりました。自社で責任を持って栽培することで、社員の食材への理解を深めるとともに食糧自給率向上への一助も果たしたいと考えています。

農業参入 ~法制度の流れ 
小泉内閣の規制緩和政策として導入された「構造改革特別区域」は2003年に施行され、地方自治に風穴を開けると期待されました。法規制により従来は事業化が不可能な事業を特別に行うことができる地域で、農業のほか教育・福祉・産学連携など多様な分野で動きがありました。
「農業特区」は、株式会社が用地を借りて農業に参入することを認める計画で、メルシャンが高級ワイン用ブドウを生産する農業生産法人を立ち上げ、国内最大の「トマト農家」を目指すカゴメが農業生産法人に出資し、独自ブランドの生食用トマトを生産する事例が注目を集めました。食品メーカーの場合、農家への委託栽培に比べて自社の生産技術などが生かせるうえ、トレーサビリティ(生産履歴の追跡確認)など「食の安全」の確保にもつながるため関心が高まっています。
2009年には、農地法の改正により、株式会社などの一般法人でも農地の貸借はほぼ自由に行えるようになりました。

「安心・安全」、プラス「鮮度」を実現

収穫したものをすぐに加工し、鮮度が約束された栄養価の高い商品を店頭に並べることができるようになりました。畑を見て、作物を見て、どう商品に替えていくかという発想がトップにあり、ちょうどよい状態で収穫した旬の野菜の提供が実現しました。最短では、前日の昼間に収穫した野菜が加工され、翌朝10時に東京の店舗に並びます。

地元の農家が繰り返してきた耕作法で、種をまく時期や収穫する時期を勉強させてもらいながら、借りている農地を少しずつ増やしてきました。自社栽培の生産高は1.5~2倍になり、金額に換算して野菜の全使用量の15%を占めるようになりました。

現場の奮闘ぶりが社内に好影響を

DSCF3003耕作放棄地の広がりを現場では実感します。身近に仕事をしていると、今、耕作している方があと数年で辞めていかれることも予測がつきます。直接貢献できることはわずかですが、遊休地を活用させてもらうことで地産地消の一端が担えればと考えています。

農業部を立ち上げて専従職員を配置し、特区事業として雇用創造の評価を得ました。現場に入って実際に汗を流すことによって、よい農産物をつくろう、お客様に届けようという意識がいっそう高まりました。苦労して育てた野菜への思いはひとしおです。

農業としての収支合わせは途上ですが、社員の士気高揚につながっています。現在、農場に12人、工場に220人、店舗に510人が働いていますが、「食に責任を持つ企業で働くことに誇りを持てる」よう努力したいと思っています。

地域福祉とのハッピーな関係

生産・加工の作業工程に2つの社会福祉法人の協力を得ています。農場の委託作業で土づくりや収穫、工場での農産物の加工として皮むきなどをお願いしています。安全な農作物をつくる過程で、障害のある人の就労の機会をつくったり、中学生に農業体験の場を提供したり、地域の皆さんとの輪も広がっています。

人気メニューに仲間入り(ブログ「知久屋農園日記」より抜粋 2011年09月06日)
人参の抜き菜かき揚げ知久屋農園では、遠江学園の皆さんと連携して農業に取り組んでいます。
今の時季は、人参栽培で、人参を選定する際に出る人参の抜き菜の土を取り、葉を洗浄する作業をお願いしています。この抜き菜は、知久屋の一部の店舗で人参抜き菜のかき揚げ天ぷらとして販売されます。
この時期にしか食べることのでない、人参の抜き菜のかき揚げ天ぷらは、昨年からのファンがいるほどです。地道な作業のおかげで、従来、畑で処分されていた抜き菜が、ご覧の通り、貴重な天ぷらの材料に変わってゆきます。

「食」を中心にした循環を創りだす

工場や店舗から出る生ゴミを回収して、専用の機械で微生物発酵させて堆肥化し、自社農園で利用する取り組みを試行しています。専門業者に委託して焼却処理をしていた生ゴミを、資源として再利用するためです。食品残渣には油分や塩分があってなかなか手強く、メーカーさんの協力で2代目機器を改良試行中です。環境に負荷をかけず、資源を有効に利用する方法として、食品を扱う企業の模範となる取り組みであると考えています。

今後は、自社農園を拡張するとともに、その一部に貸農園を設けたり、地域の皆さんの憩いの場を提供するため、近隣の里山を整備し、陶芸小屋や宿泊施設・レストランを併設したりして、家族で体験学習のできる自然を生かした環境の創造を夢に描いています。農場や工場を活用して、1~2週間滞在して理想的な食生活を送るとアトピーが治るなど、食生活の大事さを体験してもらえるような「食養の施設」を運営するビジョンもあります。

浜松市における農業の課題
浜松市農業振興基本計画(平成21年3月)」より
農業生産の基礎的資源である“ひと”が減少しています。平成17年の総農家数・農業従事者数は全国トップクラスですが、昭和50年と比較すると激減し、約6割が65歳以上です。
10年後の農業経営の主体は「本人」「後継者」のほか、中には「離農している」との意向があり、長期的な視点から生産者数、作付面積、生産量、農業産出額の持続に不安感があります。担い手の育成が急務です。
元気なはままつ農業特区および特定法人貸付事業で、企業4社が農業参入しているほか、今後、計画や検討していこうとしている意向があります。このため、一般企業への農業参入への促進と支援が必要です。
会社データ
事業内容
惣菜類・米飯類の製造及び販売、レストラン経営、介護施設での食事事業
活動分野
健康・福祉、食・農業
活動対象
幼児から高齢者まで、すべての人々
活動地域
静岡県中・西部、首都圏
設立
1957年(昭和32年)
従業員数
740名
資本金
7,366万円
代表者名
代表取締役社長 知久 利克(ちく としかつ)
連絡先
(住所) 〒431-1104 浜松市西区桜台1-2-1
(電話) 053-437-7555 
(FAX) 053-436-0129
(Eメール) info@chikuya.co.jp
(ホームページ) http://www.chikuya.co.jp/
(ブログ) http://chikuyaagri.hamazo.tv/
(2012年1月現在の情報です)

京丸園のロゴ


農業と福祉のいい関係

京丸園 株式会社


「京丸姫ちんげん」「京丸姫ねぎ」などのオリジナルブランドを生産している農園。従業員の1/3が障害のある人です。


・・・代表の鈴木厚志さんにお話をうかがいました。
京丸園は、福祉のための農業ではなくて「農業の中に福祉を取り入れて、農業を活性化させること」を目的とした「ユニバーサル農園」を目指しているということですが。

企業ゆえに課す農業としての生産性

私たちは福祉施設ではなくて企業なので、農業としての生産性が上がらないと務まりません。障害のある人の雇用を進めるために、その人に合った仕事をつくり出し、工程の見直しや機械化など工夫を重ねました。そうしたら、生産の効率が上がり、経営の効率化も促され、業績アップにつながったのです。

1996年から毎年1名を目安に身体、知的、精神など様々な障害のある人を雇用していますが、指示や労務管理は職員がして、定植や収穫、梱包などの作業を障害のあるパート従業員が担うという態勢で仕事を行っています。

・・・苗の定植などそれぞれ技術が要りますよね。障害のある人にとって作業のハードルは高いのでは?

「作業分解」で障害のある人もできる方法を考える

代表の鈴木さん実は、以前は障害のある人は採用できないとお断りしてきたんですよ。その理由として、芽ネギの定植作業を例に、手で苗のラインを水平にするのに障害を持った方には無理だと。そうしたら、数日後に就労を支援する人(ジョブコーチ)が来て、「下敷きを使ってこうやると植わりませんか?」と提案。熟練した技術が必要だ、と思い込んでいましたから、これにはびっくりしました。

福祉の方は「作業分解」を考えます。種まきからいい野菜をつくるまで、一連の作業を分解して、どうすればいいかを考える。この発想をきっかけに京丸園で障害者雇用が始まっていきました。

・・・さきほど、業績アップにつながった、と言われましたが、具体的にはどのような変化がおこったのですか。

その人にできることを考えたら、意外な効果につながった

知的障害のある人を雇った時、ひとまずハウス内の掃除をお願いして様子を見ました。半年ほど経ったとき、「あれっ?ハウスの雰囲気が違う」と、感じました。農薬を以前のように使っていないことに気づいたのです。きれいにしておくことで、虫の発生が減ったんですよ。彼女の仕事によって、農薬を使わなくてすみ、農薬をまく労力や農薬代も削減できたのです。そして、買ってくださる方の健康にも貢献できるというおまけまでついた効果に気がつきました。

・・・そこで思いついたのが、野菜につく虫を吸い込む「虫トレーラー」なんですね。

仕事って、速く!速く!が、全てではない

まさに、「虫トレーラー」は、障害特性を生かした機械でした。「虫トレーラー」をゆっくり押して歩いていくと、吸い上げられた虫が網にたまっていきます。その機械を動かすには、知的障害のある人のゆっくり進むスピードがぴったり。自分だとセカセカしてしまって虫が獲れない。仕事って、普通は作業効率を上げることに注目しがちですが、ここでは「ゆっくり」が肝心。虫を捕まえるのに一番適しているんです。

この機械を使って、歩行訓練などリハビリなどの作業療法を兼ねた「リハビリできる農業」もいいじゃないですか。農場で作業して賃金をもらいつつ、機能訓練もできてしまうわけですよね。画期的です。、農業と福祉だけでない、医療との連携も可能ですよ。

・・・その人の障害が何かを理解したことで、うまくいったことは他にありますか。

きれいに、っていう言葉、よく使うけど

洗いものの仕事をお願いしたときのことです。「トレーをきれいに洗っておいて」と言って、1時間後に戻ってきたら、なんと、1枚を1時間ずっと洗っていたんですよ。びっくりして、彼のいた養護学校(現在、特別支援学校)の先生に話したら、「あなたの指導の仕方が悪い!」と言われたんです。どういうこと?と思いました。すると、「きれい、というのは抽象的で、障害のある人には具体的に指示しないとわからない」と。

そこで、無人で使えるトレー洗浄機を機械メーカーに作ってもらえば600万円かかるところ、「表2回、裏1回」くぐらせばきれいになる機械を、15万円で作りました。「きれいに洗って」ではなく、「表2回、裏1回洗って」と、具体的に指示を出すことで、誰がやっても簡単に理解してできる作業になりました。

・・・数値化することで、誰でもできる仕事、つまりユニバーサルな仕事を生み出せたんですね。

農業って、懐が深いんです

工業は作業工程の仕組みがすでに出来上がっていて、障害者が入りにくいですね。農業は自分のやり方や、経験と勘が重視されてきた業種ですが、家族経営で明確なしくみが出来上がってない分、臨機応変に対応ができます。工業は機械に人を合わせますが、ここでは人に合わせた機械をつくり、人に合わせた仕事をつくりだすことができます。

障害者を受け入れたことで変わったもの

障害のある人のひたむきに働く姿勢は、職場にいい影響を与えます。作業が遅いので早めに来ると、社員はそれを見て、彼らが来る前に来て準備しようと好回転になる。彼らの作業能力は健常者より低いかもしれませんが、彼らがいることの全体の効果はあります。企業は個人戦ではなく総合力勝負ですから。

根底的なところでは、農業を変えていきたい。日本の農業が野菜を生産するだけではなく、人の健康も創造するものにしていきたいと思っています。

参照:NPO法人「ユニバーサル園芸ネットワーク」

会社データ
事業内容
農業(水耕栽培 80a、無農薬水稲栽培 120a、ユニバーサル農園)
活動分野
農業、障害者就労
活動対象
障害のある人、一般
活動地域
浜松市南区
設立年
2004年
スタッフ
62名、うち22名が障害のある人
資本金
800万円
代表者名
代表・園主 鈴木 厚志(すずき あつし)
連絡先
(住所) 〒435-0022 浜松市南区鶴見町380-1
(電話) 053-425-4786
(FAX) 053-425-5033
(Eメール) kyomaru@ck.tnc.ne.jp
(ホームページ) http://www.kyomaru.net/
(2012年1月現在の情報です)

店舗の写真


菜園生活を楽しむための種と苗と土

有限会社 浜名農園


元気アップ野菜を栽培するための家庭菜園応援団。「固定種」で地域的、文化的に特有な「在来種」も扱っています。


・・・代表取締役 中村訓さんにお聞きしました。
スーパーや種苗店で売られているタネは、ほとんどが「交配種」という一代限りの雑種なので、そこから種を採ってまいても同じものは育ちませんよね。そうした中で、浜名農園の「畑懐(はふう)」では「固定種」を扱っていると伺いましたが。

いのちつながる伝統野菜

種の陳列棚確かにうちの店の「畑懐(はふう)」で扱っているタネの8割は、「固定種」といって交配していない品種です。「固定種」では、何世代経っても同じ品種がつながっていくんです。
 「固定種」で生まれた野菜は、40数年前まではごく一般的に栽培され、普通に食卓に上がっていたものなんですよ。それが、規格がそろっているとか、見た目の美しさ、甘さが一番、などということから、品種改良された画一的な「交配種」が大半を占めるようになっていきました。
 このような「固定種」「在来種」を扱う種苗店は、埼玉の野口種苗とうちが、全国的にも先駆けです。他でも扱うようになりましたが、少ないです。コストは…、なんとか回収していますけどね。
 

・・・どうして普通のタネやさんが見向きもしない「固定種」を取り扱うようになったんですか。

もっとたくさんの野菜の品種を紹介したい

「固定種」を扱うようになったきっかけは、有機農業・エコロジー関係の仕事についていた頃に、野菜の品種がみんな一緒だなぁ、と。例えば、大根だと青首大根、トマトだと桃太郎しかない。もっとおいしくて、多様な品種があることを紹介したいと思いました。
 自分の家が種を扱っている店だったので(注:中村訓さんは3代目)、ここで「在来種」や「固定種」のタネを扱おうと思ったのが15年前の1996年です。屋号は「芽ぶき屋」から2005年に「光郷城 畑懐(こうごうせい はふう)」としてリニューアルしました。初めは通販でスタートして、有機農業や安心な食べ物関係に広めていきました。雑誌「田舎暮らしの本」「サライ」「チルチンびと」などに取り上げられるようになって、全国から注文が来るようになりました。
 

・・・そんな貴重な「固定種」のタネ、どんなルートで手に入れているのですか。

種取りは手間がかかる

扱うタネは、全国各地の採種農家から取り寄せています。タネを採るのは丁寧な作業が必要で、手間もかかるので、若い人はやりたがりません。そのため、年々採種ができる農家は減ってきています。マニアックな品種ばかりなので、国内で採種できないものも多く、3割ほどは海外に委託して栽培、採種しています。大手の種苗会社ではすでに7割ぐらいが海外生産なのですが、うちは国産がかなり多いです。でも、全体からしたら本当に微々たるものです。
 

・・・どんな人が「在来種」や「固定種」のタネを買っていくんですか。

元気アップ野菜を、みんなで食べて残していこう

小松菜の種プロの農家の人も家庭菜園を楽しんでいる一般の人もいらっしゃいますよ。プロの農家さんは、JA以外の販路を持っているような方で、「おいしい野菜をつくりたい」というこだわりのある農家ですね。
 例えば、小松菜も通常「交配種」ですが、これは栽培や出荷のしやすさから、チンゲン菜と掛け合わせて茎が立つように品種改良しています。そのため、元々あったカブ系の香りが薄くなり、小松菜特有の香りは強いのですが、後味にえぐみが残ります。固定種の「丸葉小松菜」では、食べた瞬間いろいろな味がして、最後に小松菜の香りと爽やかな味が残ります。食べ比べると、9割の人が固定種の方を「おいしい」と言いますからね。
 「うまくできた」「おいしかった」という声、反応が一番のやりがいになります。プランター1個でもいいから、自分で作って食べてもらいたい。食べることで品種を継続していってほしいと考えています。
 

・・・特に、家庭菜園ではプロが求めるような、一斉に成長して、一斉に収穫できて、などということは必要ないし、サイズも関係ないですよね。少しずつ収穫期を迎え、サイズも様々な「在来種」、「固定種」の伝統野菜は、古くて新しい可能性を秘めた品種と言えるのですね。

幸せは畑からやって来る…

自分たち家族が食べるものを、自らつくる、このシンプルで安心感のある家庭菜園が、どれだけ私たちの心と体を元気にしてくれているのか計り知れません。
 無農薬栽培や自然農法など色々ありますが、大切なのは食べる人が健康になること。カゼ菌いっぱいの部屋に入ってもカゼを引く人と引かない人がいます。それは免疫機能や抵抗力など体の「能力」の違いです。様々な環境のマイナス要因を排除するのは至難の業です。「まず自分から変わる…」そんな可能性を広げる野菜作り、土づくりを応援しています。

会社データ
事業内容
園芸資材、種苗販売、生体エネルギー応用商品販売
活動分野
食・農林水産
活動対象
プロ農業者、一般
活動地域
浜松市中区、通信販売では全国展開
設立年
1973年
スタッフ
4名
資本金
300万円
代表者名
代表取締役 中村 訓(なかむら さとる)
連絡先
(住所) 〒430-0851 浜松市中区向宿2-25-27
(電話) 053-461-1482
(FAX) 053-461-1461
(Eメール) mebukiya@nifty.com
(ホームページ) http://ameblo.jp/hafuu-kougousei/
(2012年1月現在の情報です)

オフィスの写真


自分らしさを大切にしよう

一般社団法人 
ダイジョブ・プロジェクト


健全な職場作りや就労など社会参加を進めるための相談やリフレッシュプログラムを提供しています。

2001年、静岡県ジョブコーチ事業の立ち上げに関わり、県や国のジョブコーチとしての活動を続ける。その後、知的障害者の余暇活動グループなどを立ち上げ、現在は一般社団法人ダイジョブ・プロジェクトとして、社会参加や自立、コミュニケーションについて困難をもつ人や課題を抱える会社に対し、その人らしさ、その会社らしさを大事にするためのより柔軟な支援活動を行っている。

ジョブコーチ:障害のある人と企業の双方を支援し、障害のある人が安心して働くことができる職場作りをコーディネイトする。

代表理事の鈴木大介さんにお聞きしました。

・・・企業からの依頼が多いと聞きましたが。

本音で語る 深いコミュニケーションが健全な職場をつくりあげる

代表の鈴木さんの写真ジョブコーチではカバーできない問題が起こるときがあるんです。そんな時はダイジョブの出番です。コミュニケーションが上手くいかずに配転命令に納得されないときの対処依頼や、残業に関わる問題処理などが最近の例としてありましたね。

発達障害については最近、社会的認知が進み、法的整備もされるようになりましたが、まだそうしたことを理解されていないときに就職した人の周辺で、様々な行き違いが起きたりしますね。

支援依頼がある場合は、もちろん依頼元に寄り添いはしますが、あくまでも中立的な立場で問題を解決しようとします。ジョブコーチの立ち位置と同じですね。でもそんなとき大切にしたいのはお互いの本音。大変だけど、そこまでのコミュニケーションをしていくことが健全な職場作りにつながっていくと思っています。
 

・・・それは、ダイジョブのサポートメニューの一つ「健全な職場作り・コンサルティング」ですね。
他にも「仕事や社会参加に関する相談」「コミュニケーション獲得のためのアドバイス」「子どもの活動個別サポート&家族レクチャー」「リフレッシュプログラムの実施」と、メニューは多様ですね。
コミュニケーションスキルアップはどのようなことをするんですか。

相手の気持ちを理解する納得体験や小さな成功体験を積んで克服

県の教育委員会から依頼されて、発達障害のある子どもたちのためのコミュニケーションのスキルアップ講座を行っていますが、先日も視覚障害者のためのガイドヘルパーごっこをしたんです。アイマスクをつけた友達を誘導するときに「こっち、こっち」というだけだったんです。当然友達は不安がって動かない。

しかし、もっと具体的に相手に理解してもらえる言葉を使えば、安全に誘導できることを理解しました。毎日の生活の中で相手にわかるように話すことを心がけるという納得体験もできたんです。
 

・・・ハローワークで精神障害者雇用トータルサポーターもされているし、専門学校などで障害者就労についても教えていますよね。そうした仕事もこなしつつのダイジョブの活動は大変じゃないですか。

多様な仕事をネットワークして生まれる新たな支援アイディア

はい、とても忙しいです。でも面白いことにつながるんです。リフレッシュプログラムの一つであるアート活動で生まれた作品を専門学校の学生たちに披露し、その感想を本人に伝え、やりがいを見出してもらったり。そんなことを続けていくと、支援のノウハウとして、この人にはあんな方法で、あの人にはこんなこと、と思いがけないアイディアが次々と浮かんでくるんです。つまりは、関わる仕事をネットワークして生まれる新たなアイディアを支援に生かしているといえますね。
 

・・・リフレッシュプログラムで他に効果を感じるものはありますか。

自立を妨げているもの、ひも解くと問題は結構シンプル

佐鳴湖の写真強い思考をもつ現代人は感受性や想像力が低下し、運動不足にもなっていますよね。強い抑圧を強いられた状態の人も多いのではないでしょうか。そんな人たちに効果があるなと感じているのは佐鳴湖ウォーキング。湖岸をわたる心地よい風を感じながら歩く。面と向かう位置でないのがいいんでしょうねえ、いろんなおしゃべりをするんです。並んだ状態で会話を続けると気持ちが安らぐんです、解放されるんです。

みんな「ある事情」で生きにくくなって苦しんでいる。その事情のまわりの絡まっているものをそんな方法でほどいていくと案外問題はシンプルだ、と気が付くことが多いです。
 

・・・今後はいろんな人が集まって多様な技術を提供できる専門集団として活動していきたいと抱負を語られました。アートや音楽まで飛び出す豊富な支援技術に「ほう、へえ」とうなずきながらの楽しい取材でした。

会社データ
活動分野
福祉、職業能力開発・雇用機会
活動対象
就労や雇用に関わって課題を抱える個人や企業、障害などにより育てにくい子どもに関わる親や支援者、生きにくさを感じる個人
活動地域
静岡県
設立年
2009年(個人事業開始)、2010年(一般社団法人ダイジョブ・プロジェクト設立)
スタッフ
3名
資本金
0円
代表者名
鈴木 大介(すずき だいすけ)
連絡先
(住所) 〒432-8023 浜松市中区鴨江4-10-1 エスワイビル4F-A号室
(電話) 053-452-3251
(FAX) 053-452-3251
(Eメール) dai@dai-job.org
(ホームページ) http://www.dai-job.org/index.html
(2012年1月現在の情報です)

多機能トイレ


気持ちのよい排泄のお手伝い

有限会社 きちっと


排泄ケアを通して、地域でその人らしい当たり前の毎日の生活を支援します。


代表取締役 佐藤 文恵さんにお聞きしました。

「ライフワークは排泄ケアです。」開口一番、佐藤さんは言い切りました。

ともすると排泄の話はタブーとされがちですが、すべての人が人生を通して避けることができないことです。排泄の問題を抱えている人は、乳幼児とその保護者、妊産婦、障害のある人、障害があって就労している人、病気の人、末期がん患者、高齢者等の当事者とその看護者や介護者など、さまざまです。思い通りに排泄ができなくなった事態に戸惑い、苦しんでいる人がいます。子どものおむつがなかなか取れないことや夜尿症で悩んでいるお母さん、トイレが気になって旅行を控えたり外出を躊躇する人など、人知れず悩んでいる人も実はあちこちにいます。

佐藤さんは、看護師として勤務していた病院で、手術後などで排泄がうまくできなくなると本人のショックはもちろんのこと、家族の負担も大きなネックとなってなかなか退院できないケースを数多く経験してきました。一方、忙しすぎる医療現場では、排泄ケアやその相談などはどうしても優先度が下がる現実があります。「看護業務に個別の悩みを相談できる余裕がないんですよ。」と訴える佐藤さんは、病院という組織の中で看護師として働く中ではがゆい思いをしてきました。また、悩んでいる人が行政に相談をもちかけても、年齢や状態で窓口が違うためその人に合ったアドバイスがすぐに受けられるとは限りません。病院勤務時代に、排泄で悩んでいる患者さんにしっかり対応出来ないもどかしさを感じていました。

排泄ケアの仕事を別の角度でしたいと医療機器ディーラーの勤務を経験した後、困っている人にもっと寄り添った仕事をしたくて事業を立ち上げました。

サロンを始めてよかった。人がつながります。

ずらりとならんだストーマの数々

高丘北の瑞穂小学校のすぐそばにある「きちっと」はバリアフリーの排泄を中心とした共生共助の場になっています。読書やおしゃべりや勉強会ができるフリースペースがありますが、「こだわりおトイレ」は必見です。最新の多機能を装備した便器周りのほか、ストーマ用装具やおむつなど実際に困っている人に役立つ用具や便利ものがメーカーを問わずずらりと展示されています。手にとったり試着したり訓練したりもできます。佐藤さんが伝えたいと思って集めた実物を使って実際に体験できる場になっているのです。

このコミュニティ空間を使っておこなっているのが、「コンチネンス・サロン」。コンチネンスとは、排泄のコントロールがついている状態のこと。2011年7月から始めましたが、「きちっと」の重要な事業です。専門家だけでなく経験者や技術を持っている人たちとそれぞれの場面で困っている人を引き合わせて課題が解決できるようにつなぎの役目をしてます。たとえば、家族の介護を次々に経験してきた人は、介護初心者の悩みを聞いたり解決策を持っていたりします。人工肛門のベテランは、これから手術を受ける人や手術をしたばかりで不安を抱えている人や家族に、実体験を伝える事柄はたくさんあります。適切なおむつの選択や利用方法も経験者から未経験者に伝えられます。お裁縫が得意な人は脱肛ベルトの修繕など協力してもらえます。サロンでは、お困りごとのあるユーザー会員と技術や経験のあるサポーター会員を随時、マッチングさせてマンツーマンの対応をして問題解決につなげています。

また、月に一度イベントとして、食事療法、おむつフィッターなどテーマをしぼった勉強会や交流会を開催しています。さらに必要に応じて、排泄ケア専門外来の看護師の経験を活かして佐藤さんもコンチネンスアドバイザー(認定排泄ケア専門員1級)として、ストーマ、ろう孔、排泄やスキンケア全般など、専門的なことについて、有償で個別の相談、提案、援助を行っています。

サロンでは、独自の通貨“コンチ”を使っています。コンチでまた広がるんですよ。

サロン内の見学と利用は1回200円(1コンチ)。ここで使われるのが独自に設定した通貨「コンチ」。1コンチ200円。ユーザー会員とサポート会員の間でもコンチがやり取りされます。サロン内でしか通用しない通貨ですが、譲渡可能なため新たに人を誘ったり、サポートする側とされる側が状況によって立場が逆転したりして、コンチを介して知識やノウハウ、人脈が広がっています。うまいことを考えました。「おいしく食べて気持ちよく出し、愉しく過ごし心地よく眠る」、この佐藤さんのモットーに共感できる人たちと地域でネットワークを広げているのです。

人が財産。ありがとうと言われる成功体験で仕事が続けられるのです。

課題解決のために重要なのは人です。人的資源をうまくマッチングさせることで、助けを必要とする人と提供する人、従事するスタッフ、すべての人が互いに充実感を持って物事が進められるように人的資源マネージメントも行っています。介護の世界は、従事者の報酬も評価も低いことが問題ですが、「ありがとう」と言われることで気持ちよく仕事が続けられ前向きに取り組む人が増えると考えています。

居宅介護支援事業所としての仕事が、会社としてのベースになります。独立型居宅介護支援事業所として、地域に根ざした介護保険の相談援助・ケアマネージメント業務です。特定な施設やサービスに偏ることなく、その方にとっての当たり前の毎日がすごせるようなケアマネージメントを心がけています。

佐藤さん自身はケアマネージャーとして仕事をしていますが、そのほかに、排泄専門外来の看護師として病院の非常勤もしています。「ケアマネージャーの仕事も好き、排泄ケアの仕事も好き。好きことをゆるゆるとやっているので楽しい」と言いながら、排泄ケアを中心とした一貫したポリシーで事業を継続しています。

「会社も10年継続したら本物だと言われてきました。まだ9年目ですが、大きな組織のためでなく、自分の思いを大事に一人ひとりと向き合って、無理せず進めてきたらここまで続いてきました。」経験と信念に裏打ちされた自信がうかがえますが、気負いもせず事業を進めている佐藤さんにしなやかな生き方を見ました。

会社データ
事業内容
居宅介護支援事業所(介護保険)、コンチネンス・サロン、排泄ケアサポート(有償保険外サービス)、HRMプロジェクト(人的資源マネージメント)
活動分野
福祉、健康・医療
活動対象
高齢者、排泄ケアを求めているあらゆる人
活動地域
浜松市内、居宅介護支援事業に関しては浜松市高台(泉、高丘、葵、萩丘)周辺
設立年
2003年12月
スタッフ
3名
資本金
300万円
代表者名
代表取締役 佐藤 文恵(さとう ふみえ)
連絡先
(住所) 〒433-8119浜松市中区高丘北3-11-17
(電話) 053-437-9033
(FAX) 053-482-9323
(Eメール) dfrmt105@ybb.ne.jp
(ホームページ) http://kititto.web.fc2.com/
(2012年1月現在の情報です)

かつらの写真


あなたの「今、大変」を解決したい

ヘアサプライ ピア


がん患者など脱毛に悩む患者のQOL向上のため、かつらの販売や専門美容室「ヘアサプライピア」を運営しています。


・・・代表である佐藤真琴さんへの訪問。静岡県の広報誌に掲載されたご自分の写真をみて佐藤さん、「このときまだ、かつらなんです。」「えっ?」「わからないでしょ!」という会話から取材は始まりました。

かさむ治療費の上に100万円のかつらなんて、、、

代表の佐藤さん25歳で入った看護学校での実習で出合った白血病の女性。「かつらを買いたいのだけれど、100万円もするので買えない。月200万円もかかる治療費は息子のための結婚資金を取り崩して払っているのに。」という彼女の辛い思いを知った佐藤さん。そうした患者のQOLを高めるための対応や情報提供が十分できない病院の状況に疑問と怒りを感じ、看護学校3年のとき、中国に単身乗り込み、人毛100%のかつらを買い付けました。そして、誰でも買えるよう4万円台のかつらをネット販売することを開始。2003年、資金5万円の起業でした。

・・・さて、さきほどのご本人のかつら装着写真は、
看護婦さんにまず理解をしていただく必要があったので、医療関係者が集まる学会で、自ら丸坊主にし、かつらをかぶって発表をしたというのです。「でも、頭が寒くて風邪をひいちゃったみたいなのよね。髪の毛の役割は大きい!」と、にこにこしながら、丸坊主にした上でのかつらの装着体験について話しをしてくれました。

ソーシャルビジネスの強みはユーザーに近いところ

直接お客さんと接しているので、十分わかっているつもりでかつらや脱毛についてのアドバイスをしていた佐藤さん。けれど、自分が装着体験してみたら、2割はわかっていなかったと気がついたそうです。

 「かつらの後ろの髪の毛をカールさせる方法にしたって、かぶったままクルッと前後ろ逆にして、目の前で髪の毛の状態を見ながらドライヤーを当てれば楽よね」
 「帽子を購入してくださる方もいらっしゃるけど、髪の毛がない状態で帽子をかぶるって、こんなにも滑るものだと思わなかった。だから、糸から染めたすべりにくい素材で2,000円以内の新商品を開発したんです。5000円だともう気楽に買えないでしょ。」

・・・いままでのお話から、まさに当事者のもつ課題を発見してそれをビジネスで解決する、いわゆる「社会的企業」の一端がわかりました。抗がん剤の副作用などによる脱毛でかつらや帽子を必要とする当事者は女性ユーザーが多いですし、スタッフのみなさんも女性ですよね。

「うちのお客さんは35歳から60歳。似た年齢のスタッフが揃っているのでユーザーに近い。そういうことって、ソーシャルビジネスの強みであるべきだと思うんです。それに女性の職場って柔軟さが必要なんです。例えば、子育て中のお母さんスタッフは子どもをこの職場の近くの幼稚園に通わせ、終わったら子どもはこの職場に帰ってくるんです。でこぼこな人生をみんなで支えあって働いています。」

・・・実際に昨年は大変なことが立て続けに起こったとのこと。普段お子さんを見てくれているおじいちゃんが入院して、スタッフの一人が働けなくなり、もう一人は階段から落ちてけがをしたという。

「それでみんなでカバーしたんです。ピアは助け合いのビジネスモデルですが、職場のもつ悩みも同じ。患者さんたちに、病気を背負っても働き続けられますよ、って言うには、働き続けられる環境を自分たちがつくっていかなければそんなふうに言えなくなってしまいますもん。」

・・・ほっとするピアのお店の雰囲気が当事者に寄り添う姿勢からきていると理解できました。それも「プロの支援を通じて患者さんの毎日を快適にして日常生活を支える」という事業理念がしっかりあるからですね。

「足るを知る」組織作りはソーシャルビジネスにはとても大切なこと

ピアのやっていることは、儲けようとすれば儲けられる状況にあるし、美容業界はきちんとした技術なしでやれてしまう部分もあるので、目が円マークになっている方々が大勢ピアにラブコールをするのだそうです。
それに対して、佐藤さんは、きっぱり「でも、そうじゃないんです!」

「真摯に人の人生の浮き沈みに寄り添って、ちょっと髪型が決まったことで表にでる元気をもてるような、そんな質の良い日常生活を送れるようプロの仕事をしなくては。それに対し、きちんと報酬をいただくということです。儲けようとするならばスタッフを増やし、売上を伸ばせばよいことです。でも当たり前の給料を払い、きちんと社会保険もある会社。プラス、買い付けのためのキャッシュがあればそれでよい、と思います。」

 「うちが独占するのではなく、先行モデルとなって、社会に必要とされている事業を行う似たようなお店がいくつもできることが大切で、それがソーシャルビジネスだと思います。だから、開発したモデルを惜しげもなく提供したいと思っていますし、現にそうすることによって13の連携店が誕生しました。連携店が誕生することでその地域の社会資源の厚みが増しますからね。」

次世代に新しい働き方を知ってほしい

佐藤さんは、プロとしての支援をし、きちんと対価をいただく。だからボランティアではだめで、商売をする会社の形態が必要。また、1年間10億の売り上げではなく、1年間1億で10年間社会の役に立つ、という持続可能性も大事だと言われます。

「こんな世界で食べていけることを若い人たちに知ってもらいたいんですよ。ソーシャルビジネスって会社に勤められなかった人の次の居場所みたいになっちゃってるけど、あくまでもトップランナーとして経営できるということが大切なんです。継続できるように、事業を育て、同時に次世代も育つよう力を割かねば、と思います」

・・・10年もたつと組織が大きくなり、そのことで新たな問題が起こり始めるのは企業もNPOも同じ。今後どう考えていらっしゃるか尋ねると、

「誰にとって必要な事業を私たちはしようとしているのか、あくまでもウォンツではなくニーズに応えていくために事業拡大の必要性の有無についてはしっかり見極めることが大事。右肩上がりに年商があがり、大きくなるとどうしても捨てなければならないことが出てきてしまいますから。」と、彼女は答えた。

会社データ
・活動分野
福祉、健康・医療、まちづくり
・活動対象
抗がん剤の副作用や病気で脱毛に悩む人
・活動地域
全国
・設立年
2003年(個人事業開始)、2009年(一般社団法人ピア設立、株式会社PEER設立)
・運営スタッフ
6名(株式会社PEER)
・資本金
100万円(株式会社PEER)
・代表者名
一般社団法人代表、株式会社代表取締役  佐藤 真琴(さとう まこと)
・連絡先
(住所) 〒434-0046 浜松市浜北区染地台1-43-41
(電話) 053-585-0054(ヘアサプライピア)
(FAX) 053-585-0054(ヘアサプライピア)
(Eメール) info@team-peer.com>
(ホームページ) http://team-peer.com/

 

(2012年1月現在の情報です)